今夢の先の未来

すきなもの・こと・ひとについて独断と偏見で殴り書きます。

世界のエンターテイナー・友野一希という男

ジャニーズではメンカラ赤が好きだし、ディズニーはミニー・マウスだし、フィギュアでは浅田真央ちゃん、宇野昌磨くんといわゆる「そのコンテンツの中心になる人物」が推しになりがちだった。

 

そんな私の趣味嗜好を全部取っ払ってストライクゾーンにズカズカと入り込んできたのがこの友野一希という男です。

 

スケオタなら誰でも知ってる、しかしそうでなければまだまだ知名度が高いとは言えない私の推し、フィギュアスケーター友野一希について今日は顔と名前と実績とスケーティングだけでも覚えて帰ってください!(Cf.髙橋海人inドリフェス)

 

プロフィール

名前:友野 一希(ともの かずき)

生年月日:1998/5/15

所属:上野芝スケートクラブ

出身地:大阪府堺市

コーチ:平池大人、杉田由香子、ミーシャ・ジー

スケートを始めた年齢:4歳

好きなもの:サウナ、ファッション、ラーメン、そばうどん

似ている動物:カワウソ

世界ランキング:5位(2023/11/8現在)

主な戦績:2016年全日本Jr.選手権優勝、2018年世界選手権5位、2022年四大陸選手権2位、2022年全日本選手権3位、2022年・2023年世界選手権6位

 

選手としての特徴

4回転はトウループサルコウの2種類。練習ではループにも成功している。トリプルアクセルが得意な選手。

スピンでのレベルの取りこぼしが比較的少なく、ステップ、特にコレオシークエンスの評価は高く、2022年の世界選手権では全体トップの得点を叩き出している。演技の最終盤に組み込まれることが多く、爆走で会場のボルテージをブチ上げしてくれる。ちなみに2023年の世界選手権ショートではステップの点数が全体トップで、フジテレビが「世界一のステップ」という称号をかなり気に入っている模様。

 

上記のように、表現面での評価が高く、「エキシビ番長」として、エキシビションアイスショーを盛り上げています。そのパフォーマンス力の高さからアイスショーの口上等で「浪速のエンターテイナー」と称されていましたが、今や世界的な活躍をされているのでもう「世界のエンターテイナーやろ」というのが近年の風潮であり、このタイトルの由来でもあります。

 

その表現力について、憧れのスケーターでもある高橋大輔さんからは「人(観客)を置いてけぼりにしない演技」と評されており、本人もとても喜んでおりました。

なおこの「観客を楽しませるスケート」は幼少期から現在にわたって指導を受けている平池大人コーチの教えでもある。ノービスのことは得点フル無視でレベル1のステップを爆速で滑っており、その激しさから「ステップ王子」の愛称がついたことも。

 

その教えが今の友野くんのエンターテイメント力に生きているな―と常々思います。平池先生、友野くんを健やかに育ててくれてありがとうございます🙏(誰)

せっかくなので挨拶代わりの代表的なプログラムで、自身初のセルフコレオ(自分で振付をした)「Bills」を。

 

https://youtu.be/iZaaIgEPGUo?si=SxiFIAB4uovratqy

 

代打の神様

フィギュアで代打??という感じですよね?補欠からの繰り上げ出場が異常に多い友野くん。しかもその全てで自己ベストを更新して時には日本の代表枠確保*1に大貢献して来たので、いつしかSNSを中心に「代打の神様」と呼ばれるようになりました。

そんな彼の華麗なる代打出場経歴がこちら!

 

・2016年世界ジュニア選手権inハンガリー/デブレツェン

本草太が怪我のため出場を辞退

SP、FS、総合得点にて自己ベスト更新

大親友でもある草太くんが日本出発当日の練習で右足首を骨折するという大変ショッキングなニュースと共に急遽舞い込んできた大舞台。ほとんど大きな国際大会の出場経験がなかったものの、自己ベスト更新の大健闘。本人もこの試合が「世界を意識するようになったきっかけの大会」と振り返っています。


・2017年NHK杯in日本/大阪

村上大介が体調不良のため出場を辞退

SP、総合得点にて自己ベスト更新

シニアデビューシーズン。元々グランプリシリーズのアサインはなかった中、地元大阪開催の大会で堂々の演技を披露しました。


・2018年世界選手権inイタリア/ミラノ

羽生結弦が怪我のため出場を辞退

また第二補欠の無良崇人が現役引退を表明したため出場を辞退

SP、FS、総合得点にて自己ベスト更新

シニア1年目ラストにまさかの大舞台。共に出場した宇野昌磨(大会前に替えたスケート靴が合わず、右足甲を痛める)、田中刑事(大会中に靴がぶっ壊れる)のコンディションが振るわず、翌年自国開催の世界選手権の出場枠が危ぶまれる中、SPFSほぼノーミスで揃え、総合5位、FSだけなら3位大大大健闘。日本男子の危機を颯爽と救ったメシアです。世界に日本のカズキトモノが見つかった瞬間でした。

本人が常々ターニングポイントだったと語るこの大会。これについては後ほどベストプログラム紹介でも出てくるのでここでは割愛しますが、実力以上が出た試合だったと言ってますけど実力です!私のお墨付きです!(いらん)


・2020年四大陸選手権in韓国/ソウル

宇野昌磨が拠点変更に伴う調整のため出場を辞退

SP、FS、総合得点にて自己ベスト更新

代打も4回目となると「補欠の一番手に選ばれた時点で、出場するつもりでいた。」と風格のあるコメントを残すなど。(アクシデントによる繰り上げ出場ではなく、正式決定の前に昌磨から「もしかしたらそういうことになるかも」と聞かされてたというのもあるが)

前年12月の全日本から少しずつ調子が上向きになり始めた中で自己ベスト更新の演技だったので、「これは北京五輪に向けて大化けの可能性あるぞ??」と楽しみになる試合だった、私が。


・2022年世界選手権inフランス/モンペリエ

羽生結弦が怪我のため出場を辞退

また第二補欠の三浦佳生も怪我のため出場を辞退

SP、総合得点にて自己ベスト更新

五輪シーズン、補欠2番手からの繰り上げ出場。完全に4年前のデジャブです。

しかも繰り上げ出場を聞かされたのがシーズン最終戦ルクセンブルクの大会に移動中、経由したドイツの空港でのこと。歴代の代打出場の中でもトップクラスの強行スケジュールでしたが、しっかりピークを持ってきてSPではついに100点越えの101.12(当時世界歴代6位の記録)をマーク。フリーは流石に調整の難しさが見え、ノーミスの演技とはいかなかったが、それでも総合6位。世界選手権の直前に出場した試合はエキシビジョンがなく、エキシビジョン用の衣装を急遽フランスのユニクロで調達するなど最後までドタバタ劇でしたが、小道具として私物のサムソナイトのスーツケースを振り回していたらその姿がサムソナイトさんんの目に留まり、この年からスーツケースとバッグの提供を受けるなど素敵なご縁も。

 

・個人的ベストプログラム

ここまで言われるとどんなスケートするのか気になりません??

これに関しては、ご本人がインタビュー挙げてるものとかなり近いのでわざわざ私が語るまでもないですが…オタク特有のクソデカ感情も併せてご覧ください。

※本人インタビューはこちら

友野一希選手 華麗なるスタースケーターの肖像

 

・2018年 世界選手権SP「ツィゴイネルワイゼン」 振付:佐藤操 

前述した2018年世界選手権の演技。「失うものは何もない」と挑んだFSの「ウエスト・サイド・ストーリー」の方がクローズアップされがちなのでここではあえてSPを選ばせてください。

この大会、並々ならぬ覚悟で挑んだとのちに明かしてくれた友野くん。世界選手権はSPで足切りがあり、上位24位以内に入らないとFSには進めないのですが、逆にFS進出すると翌シーズンのグランプリシリーズの出場枠を自力で1枠確保できます。シニアの国際試合経験がほぼなかった友野くんは自分がFS進出ギリギリなラインだと思い、ここでやれるかやらないかで一塊の学生スケーターとしてスケート人生を終えるのか、その先が開けるのか、スケート人生を懸けたSPだったとのちに語っています。

結果は見事にノーミスの演技!直前の6分間練習で6回跳んで一度も決まらなかった4回転サルコウを本番ではバチっと決めてきたのが痺れました。

目標の24位以内を大幅に上回る11位でフリーへ。演技後に「怖かった…」と呟きながらボロボロ泣く友野くんに誰もが「枠取りのプレッシャーもあったもんな😭えらい😭えらすぎる😭がんばった😭」と思っていましたがまさかこんな覚悟が隠されていたとは、だいぶ後になってから知ることになります。

Men Short Program | 2018 ISU World Figure Skating Championships Milan ITA | #WorldFigure - YouTube

ついでにフリーも見て。ちなみにこのフリーでは現在の振付師兼コーチ兼お友達のミーシャ・ジーが同じグループで滑ってるのもエモい。このシーズンをもってミーシャは現役を引退したため、そのスケートに身惚れた友野くんが連盟を通してミーシャに振付を依頼し、18-19シーズンから最強タッグが始まります。

Men Free Skating | 2018 ISU World Figure Skating Championships Milan ITA | #WorldFigure - YouTube

 

・2019年 全日本選手権FS「ムーラン・ルージュ」 振付:ミーシャ・ジー

華々しいシニアデビューイヤーを飾った一方で、いきなり得た「世界5位」という肩書きに苦しんだシーズンが続いた中での全日本。SPでは4回転2本にミスが出て11位と大きく出遅れる。

そんな中で迎えたFSではこのシーズンから2種類に増やした4回転を綺麗に決め、ジャンプの抜けは僅かにあったものの会心の演技。演技後感極まる姿がリプレイで会場に流れると「恥ずかしい…」と照れるところまで天才的に愛おしい。隣でずっと平池先生がケタケタ笑ってるのもまるっと愛おしい。このキスクラでのコーチとのやりとりとか、ここに辿り着くまでのロシアでの昌磨くんとのやり取りとか、色々想いが詰まったプログラムではあるんですけど、とてつもなく長くなりそうなので割愛します。

てかシンプルにロクサーヌが好きすぎるので名プロです。引退後でもいいので再演してくれ…いややっぱ引退とかしないで無理…(情緒)

全日本の演技が全然YouTubeにないので友野くん好き好き委員会のミーシャ―・ジーさん(おこられろ)のインスタに載ってる動画を見てください、ちょっと音ズレとかあるけど。

www.instagram.com

 

・2021年 全日本選手権FS「ラ・ラ・ランド」 振付:ミーシャ・ジー

SP7位からの逆転表彰台で北京五輪を狙うFS。冒頭3本の4回転を含めた会心の演技。僅かなジャンプの乱れはあったもののそれを忘れるような友野くんらしい演技。特に最後のコレオは多幸感がカンストしていて、定期的に見て定期的に泣いている。フィニッシュ後、今まで見たことないような力強いガッツポーズをしていて、スケートにかける覚悟を見ました。この全日本自体決して万全のコンディションで挑めた試合ではなかったことをだいぶ後になってから明かしてくれましたが、「自分史上最高」を目指したシーズンの、間違いなく最高の瞬間の1つでした。

でもやっぱりYouTubeに動画がないので好き好き委員会に頼りましょう。これに関してはフル動画がない上に画質も音ズレもインスタクオリティですがキスクラの「ミーシャ~~がんばったよ~~」が可愛すぎて8億点加点したくなるのでもうすべてを許してしまう。

https://www.instagram.com/p/CYBGbEIrAlF/?igshid=YjVjNjZkNmFjNg==

 

・2022年 世界選手権SP「ニュー・シネマ・パラダイス」 振付:ミーシャ・ジー

3シーズン前のプログラムをブラッシュアップして五輪シーズンに持ってきたこの曲。なんといってもついに100点を超えた渾身のSP。ジャンプ、スピン、ステップ、文句なしの出来栄え。キスクラでの「幸せやった~」が全てを物語っています。とにかくこれは見てくれそれに尽きる。

友野一希 SP 【世界フィギュアスケート選手権2022】 <ノーカット> - YouTube

友野KCV男子SP3位 友野一希 『キス&クライの真実…』【世界フィギュア2022】 - YouTube

 

・2023年 世界選手権FS「こうもり 序曲」 振付:ミーシャ・ジー

「脱・代打」を掲げ、ついに代打ではなく自力で掴んだ世界選手権の切符。しかも自国開催。2本目の4回転が転倒となり、パーフェクトとはならなかったが180点越えのハイスコアを叩き出す。キスクラ見ればわかるように、ありえない程緊張したらしいが、現地で見ていた身としては、最後のコレオの手拍子がデカすぎて音割れというか地響きというか、とにかくすごかった。大歓声の中はためく赤い友野バナー、そんな景色をゆっくり目に焼き付ける友野くんの表情。こういう経験が人をオタクにするんだなと思った。昌磨の2連覇を見届けに行った世界選手権で、結果的に友野一希に完堕ちするんだから人生ってわからないものですね。

友野一希 SP 【世界フィギュアスケート選手権2022】 <ノーカット> - YouTube

男子6位 友野一希「キス&クライの真実…」【世界フィギュアスケート選手権2023】 - YouTube

 

以上!なんだかプログラムを語ると言うよりはその時の思い出とか感情を語っただけになってしまいましたが、これが友野一希です!

今季どんなプログラム滑るか気になりますよね???

SPは「Underground」振付:ジェフリー・バトル

FSは「Halston」振付:ミーシャ・ジー

ここ最近競技プロはミーシャ振付でしたが、今季は元世界王者のジェフに依頼!羽生結弦の振付師としても有名な人物です。元カナダ出身の振付師らしい、北米感漂う爽やかなプログラムで、「意外とこういうテイストのプログラムやってなかったな?」というプログラム。キーガン・メッシングが滑ってそう。

あと衣装が結構好き。

一方FSはミーシャ継続ですが、これもまた挑戦的な楽曲。ほぼピアノの単音が続き、曲が大きく盛り上がることなくフィニッシュする激難プロ。曲が一切助けてくれない、完全実力勝負の挑戦的なプログラムをぶち込んできやがった。興奮する。

友野くんが「ミーシャの本気が見たいな~」とお願いするもんだからとんでもないものができてしまったじゃないか。ステップの音の取り方が本当に天才です。

 

そんな友野くんの次戦は今週末のグランプリシリーズ中国杯

初戦のカナダ大会は4位と、ファイナル進出には宇野昌磨(世界王者)、アダム・シャオ・イム・ファ(3戦目優勝)、山本草太(2戦目優勝)を全員倒して優勝するしかないですが友野くんならできます!阪神ファンなので「アレ」しよう!!!

SPは11/11(土)3:00~、FSは11/12(日)13:55~テレ朝で見れます!見てください!

 

*1:世界選手権の場合、翌年の大会出場枠がその大会の出場選手の成績で決定する。最大枠の3を確保するには、3人中上位2名の合計順位が13以内であることが必須。